【はじめての終活】意外な切り口?!スマホ(デジタル)で進める終活

公開日:2020.11.22 更新日:2021.01.03

スマホひとつに大事な財産や情報がたっぷり含まれる時代。何もしていないと大変なことに


近年、スマートフォンやインターネット上にある「デジタル資産」は、相続や終活の側面においても見過ごせない存在となっています。

スマートフォンやパソコンは、基本的にはパスワードが分からないと開くことができません。

そのため、亡くなった方のスマートフォンのロックが外せず、クレジットカードの情報やネット証券口座の情報がわからなくなってしまうことも少なくありません。

親が元気なうちに終活を進めるうえで、スマートフォンやパソコンなどのデジタル機器とどのように向き合い、どんな対策を打っておけばいいのでしょうか。


デジタル(スマホ)資産とは


デジタル資産とは、デジタル方式の財産・資産であり、オンラインバンクやオンライン証券、ねんきんネットのアカウントや、月々クレジットカードで引き落とされる携帯電話会社のアカウント、各種オンラインサービスの会員アカウントなどが含まれます。

また、お金と直接関係するものだけでなく、文章や画像、動画などで、有用とみなされる場合は、デジタル資産の範疇になります。


親世代と子世代の相続観や終活観のズレ


「元気なうちから相続の話なんて縁起が悪い」という考えが根強い一方で、2010年代の10年間で、終活の必要性はかなり広い世代で叫ばれるようになりました。

その理由には、核家族化の進行や、親子や兄弟姉妹間のコミュニケーションの減少が大きく影響しています。

さらに、「長男が家督(財産)を継ぐべき」という旧来的な意識の希薄化や、個々人の権利意識の高まりもあって、「誰かの一存で丸く収まる」ということが難しくなってきた側面もあるかもしれません。

特に、現在は数十年前と違い、インターネットで法的なことも簡単に調べられることが大きいと考えられます。

総務省の「通信利用動向調査」をみると、世代別のインターネット利用率は、10代から50代は9割を超えていて、70代は5割、80代は2割程度となっています。

ちょうど今、元気なうちに終活を進めたい70代〜80代の親世代と、50代〜60代の子世代で、インターネットとの距離感に大きな隔たりができていて、それが親子間で相続観や終活観のズレを生んでいるのではないかと考えられます。


年に1度の「終活の日」「相続の日」


「防災の日」は、災害に備える日です。「災害」も「死」も、いつ自分に降りかかるか分かりません。

それでも「防災の日」が定着しているなら、「終活の日」「相続の日」も、定着できるかもしれません。

「親の終活」と考えると荷が重かったり、思わず角が立ったりするもの。

世代関係なく誰もが自分の終活をおこなう日を決めたら、終活をしないまま亡くなって、遺された家族が困るという事態が減らせるのではないでしょうか。

例えば、年末年始やお彼岸、お盆などの、家族や親戚一同が集まる日を、「終活の日」「相続の日」とするのです。

そうすれば、子世代や孫世代は、「自分たちもやるから、お父さんお母さんも一緒にやろう?」といった感じで楽しい雰囲気で勧められるため、角が立ちにくい。

「やらなきゃいけない感」「やらされる感」があると空気が重くなりがちですが、デジタル機器を通じて、親子や孫とのコミュニケーションも図れるので、一石二鳥です。

デジタル機器を中心に、親子や孫でやりとりしながら、無理のない感じで、将来介護が必要になったときのことや、相続のことなどに話が広げていければ理想的です。

ですが1度にすべてを済ませようとするとせっかくの空気が悪くなってしまうので、その家族にとっての毎年の「終活の日」「相続の日」に少しづつ進めていければ素敵だと思います。


デジタル終活の利点


デジタル終活の利点は、「死」に対してワンクッション置きやすいところです。

家族みんなで取り組むにしても、自分の「死」について話すのは抵抗があるかもしれません。

一方で、例えば、一緒にスマホのフォトライブラリーを見ながら、「最近撮った自分の顔写真で気に入ってる写真ある?」と遺影候補の写真をそれとなく聞き出したり、夫婦や親戚、友だちと行った旅行写真を見せてもらいながら、緊急時に連絡すべきキーパーソンをそれとなく掴んだりすることは自然にできます。

「SNSをやってみない?」と誘って、「プロフィールページ用に顔写真を設定しよう!」とか、「スマホの緊急連絡先設定をやっていない?」「一緒に設定しようよ!」など、切り口はいろいろあります。

核家族化が進んでいる現在だからこそ、家族や一族「みんなで時間を共有する」ということが、今後はより重要になってくるのかもしれません。

その媒介として、世代を問わず持つようになったスマートフォンは、格好のアイテムと言えそうです。


デジタル終活の注意点


デジタル終活で重要なのは、「みんなで共有しながら進める」こと。

デジタル終活は、子世代、孫世代にとっては、ある程度のところまで一人でやれてしまうかもしれません。家族に秘密にしておきたいデータや履歴がある場合は、むしろ「一人でやりたい」と思うでしょう。

しかし、一人でデジタル終活をしてしてしまうと、その終活はいざというときに役に立たない可能性が高まります。

独りよがりの終活は、かえってトラブルの種になることが多いのです。

終活は、所有者が自分から誰かに移る場合の「備え」という側面があります。

そのため、家族がいる場合は、「備え」のための合意形成は欠かせません。

もちろん単身者の場合でも、相続人や友人など関係する人との最低限のやりとりは必須でしょう。

どうしても家族に秘密にしたいデータや履歴がある場合は、一人で行う局面があっても良いと思いますが、家族や親戚、友人や普段お世話になっている人たちなどと行う局面、両方考えて取り組むと良いでしょう。


最低限これだけはやっておこう


デジタル遺品(スマートフォンや、パソコンに保存されたデータ、ネット口座、アプリ、SNSなど)を洗い出し、紙に書いておくこと。

全てを把握することは難しいかもしれませんが、ネット口座や、契約を終了しない限り課金が続くものなど、お金に関わるものを中心に洗い出し、それらのログインIDとパスワードを書いておくと良いと思います。

最低限の終活を怠ると、自分の死後、家族が自分の付き合いのあった人たちに連絡を取りたくても、ロックのかかったスマートフォンなどに電話帳が保存されているため、連絡を取れません。

さらに、インターネット口座や有料サイトの利用料など、デジタル遺品を把握することが難しく、相続手続きをしなければならない家族の負担となってしまいます。

また、メールやSNSを通じたやり取り、写真のデータなどは、自分以外の相手の個人情報が含まれていることもあるため、知られたくない情報があれば隠しておくこと。

相手に迷惑をかけてしまう可能性もあります。

これだけはやっておこう

  • デジタル遺品(スマートフォンや、パソコンに保存されたデータ、ネット口座、アプリ、SNSなど)を洗い出し、紙に書いておく

  • メールやSNSを通じたやり取り、写真のデータは事前に整理しておくこと

  • 万が一のときに備えて、必要があればスマートフォンのロック番号を信頼できる第三者に伝えておくこと



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