実家は二次相続まで考える!相続財産が住んでいた家しかない場合の対応法

公開日:2020.07.13 更新日:2021.02.24
実家は二次相続まで考える!相続財産が住んでいた家しかない場合の対応法

相続財産である実家(不動産相続)を分割できない


相続人は複数人いるのに、相続できる遺産が、被相続人が住んでいた家(実家)しかない


その場合、どのようにして遺産を分けたら良いのでしょうか。


家を売却して現金化し、分割すれば良いかもしれませんが、その家に住み続けたい相続人がいる場合は売却することは困難です。


分割できない不動産相続の方法や注意点を見ていきましょう。


実家の相続は「代償金」支払い対応も検討


被相続人に同居家族がいる場合(実家が二世帯住宅であった場合)や、賃貸で暮らしていた相続人が、被相続人が暮らしていた家で暮らし始める場合、「小規模宅地等の特例」が適用されるケースがあります。


この場合、被相続人の同居家族や、被相続人が暮らしていた家で暮らし始める相続人が、被相続人の遺産である家をすべて相続することになります。


家に関わらず、遺産の多くを相続した人は、他の相続人にその分を「代償金」として支払うことで、不公平感を解消することができます。


実家の相続は「二次相続まで」考慮しておこう


一次相続は、夫婦のどちらか片方が亡くなった後で、配偶者と子どもが相続人になること。


二次相続は、一次相続で相続人となった配偶者が亡くなり、子どもだけが相続人となること。


一次相続と二次相続の違いは、「配偶者の有無」と「法定相続人の数」です。


例えば、一次相続では法定相続人が配偶者と子ども2人の計3人いたのが、配偶者が亡くなった後の二次相続では、子ども2人だけとなります。


この違いが相続税ではとても重要なのです。


その理由は、以下の4点です。


①二次相続では基礎控除が少なくなる


相続財産が「基礎控除以下」の場合は相続税がかからない一方、
その基礎控除が減るということは、相続税がかかりやすく、相続税が高くなることを意味しています。


他にも、死亡保険金や死亡退職金といったみなし相続財産に適用される非課税枠も、法定相続人が減ることによって減額されることになります。


法定相続人が減ることによって、相続税がかかる可能性が高くなるのです。


②配偶者の税額軽減が使えるのは一次相続だけ


一次相続で相続税を払いたくない場合は、配偶者が財産をたくさん相続するようにすれば良いでしょう。


なぜなら相続税には、配偶者の税額軽減(配偶者控除)という大きな特例が用意されているからです。


配偶者の税額軽減は、共に財産を築き上げてきた夫婦が相続発生後の生活資金を守るため、といった理由などから設けられた税額軽減規定。


配偶者が相続した財産のうち、1億6千万円まで、もしくは法定相続分までは相続税がかからない…というものです。

しかし、二次相続が起きたときは、配偶者の税額軽減を使うことができないので、基礎控除後の相続財産に対してそのまま相続税が課税されてしまいます。


単に相続税の納税を先延ばしにしただけにならないように、二次相続では配偶者の税額軽減が使えないということを頭に入れておく必要があります。


③二次相続では小規模宅地等の特例が使えないかもしれない


被相続人の自宅不動産に引き続き住み続ける相続人がいる場合、その自宅不動産の土地の評価額を80%減額することのできる、“小規模宅地等の特例”という制度があります。


配偶者が居住用不動産を相続する場合は、被相続人と一緒に住んでいなくても、特例の適用ができます。


土地面積が330㎡までの部分にしか適用できないという制限はありますが、仮に1億円の土地があった場合、2,000万円まで評価額を下げることができます。


ただし、小規模宅地等の特例は、同居の親族が相続した居住用不動産に引き続き住み続けることが前提となる特例なので、


子どもが親と同居しているのであれば利用できる一方、既に親元を離れて独立しているような場合は、基本的に利用することが出来ません。


※条件を満たせば、別居していても適用が可能なケースもあります。

ただ、親子別居の場合の二次相続では、親の住んでいた居住用不動産を本来の相続税評価額で相続しなければならず、相続税が高くなってしまいます。


④二次相続は揉めやすい


一次相続では、夫婦のうち片方が亡くなるため、介護問題や遺産分割で揉めることはあまりありません。


しかし、実際に二次相続が起きた際には、子どもだけで遺産分割協議をする必要が出てきます。


きょうだい仲が良くて、平等に財産を分割できれば良いですが、遺産分割協議がこじれる可能性もあります。


こうしたトラブルを避けるためには、一次相続の時点で二次相続時の遺産分割についても考えておくことが重要です。


遺言を作成しておくのもよいですが、一次相続時に二次相続分の遺言を書いても法的な拘束力はありません。


二次相続で揉めないために最も有効なのは、家族信託かもしれません。どうしたらいいかわからないときは、専門家に相談してみましょう。


不動産相続のポイント

  • 相続財産が家しかない場合は、家を売却して現金化して分割するか、「代償金」を活用する

  • 二次相続まで考慮して一次相続を考えよう

■ 記事監修について

司法書士法人 花沢事務所
司法書士法人 花沢事務所
創業39年、横浜・横須賀・東京丸の内に事務所を構える司法書士事務所です。
相続、遺言、終活、債務整理、不動産登記、会社設立、定款変更、建設業許可申請など、多岐に渡ってサポートを行っております。
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