「次でいいか」で手遅れに 連休は親子で「終活」について話そう
公開日:2020.09.15 更新日:2021.02.28

「終活」ブームのウラ側、実際はハードルの高いクセ者‥?!
ここ数年で一気にホットキーワードとなった「終活」。
一方、その実態は「なかなか切り出しにくい話題」としての意味合いも持っているようです。
葬儀希望者と葬儀社のマッチングサービス「安心葬儀」を提供している株式会社エス・エム・エスは、60歳以上の親を持つ男女428人に、「親の終活に関する意識調査」を実施しました。
出典:株式会社エス・エム・エス「親の終活に関する意識調査」
Q.ここ2年間で、あなたが親と直接会話、電話・メール・チャットなどで連絡を取った頻度はどれくらいですか?
「よく話す」…71.5%
「時々話す」…19.2%
「あまり話さない・全く話さない」…9.3%
中でも、月に数回以上親と連絡を取っている「よく話す」人の頻度は、「毎日(29.0%)」、「週に数回(15.6%)」、「月に数回(26.9%)」 となっており、話す機会は持てているようです。
では、「終活」について話したことがある親子は、どのくらいいるのでしょうか?
親子の会話で「終活」を切り出すことは罰当たりなのか
調査の結果、同居・別居に関わらず、毎月親と連絡を取る人は7割超いる一方、親と「終活」について話したことがない人は、約6割となりました。
親子で終活について話し合っていない理由は?
親と終活について話し合っていない理由としては、主に下記回答に集中しています。
1位「切り出しにくい・話しにくい」(42.0%)
2位「話す機会・時間がない」(32.1%)
3位「親が元気なため話す必要がない」(18.9%)
「終活」について親と話すきっかけに悩む人が多いことが伺えます。
親子で終活について話し合ったきっかけは?
先の項目であった親の「終活」について、あなたの親と話したことはありますか?という問いについて
『1.話したことがあり、すでに十分に話せている』 『2.話したことがあり、今後も随時話していきたい』 『3.話したことはあり、十分に話せてはいないが、今後話す必要はないと思う』を選択した人に、「終活」についてあなたの親とはいつ話し合いましたか?という質問をしました。
すると、親と「終活」について話したことがある人のうち50.8%が「日常会話の中で話した」と回答し1位。
次いで、2位「家族・親族が亡くなったとき(31.4%)」、
3位「親が自分から終活について話を切り出した(16.2%)」という結果になりました。
一方で、『4.話したことはないが、話したいと思っている』 『5.話したこともないし、今後も話すつもりはない』を選択した人に、「終活」の話をしたいと思ったとき、どのタイミングであれば話し合うことができると思いますか?という質問をしました。
すると、1位「親が入院した・余命宣告を受けたなどで死期が近くなったとき(28.8%)」、
次いで2位「親のタイミングに任せたい(26.3%)」、
3位「話せるイメージがわかない(24.3%)」という結果になりました。
「終活」について親と話したことがある人は、多くの人が日常会話の中で切り出している一方、まだ親と「終活」について話したことがない人は、親に何らかの事柄が発生したタイミングで話そうと考え、話す機会を伺っているようです。
親子で「いつものように」話せなくなる機会は、無慈悲にも急に訪れる
しかし、親の「終活」に関するエピソードでは、「認知症になる前に希望を聞いておくべきだった」「きちんと話したいと思っていたが、認知症で話せなくなった」などがあり、
話す機会を伺っているうちに、話せなくなってしまうケースが珍しくなく、「終活」について話すなら、親が元気なうちに話しておいた方が良いということが分かります。
「終活」について親子で話したいこと
Q.あなたの親と生前に話しておきたいことを全てお選びください。
1位 「葬儀(54.7%)」
2位 「相続財産(42.1%)」
3位 「納骨・お墓(38.8%)」
4位 「延命治療(38.1%)」
3位までは実際に亡くなった後についての内容、4位以下は延命治療や介護の希望など、亡くなる前に関する内容が続きます。
1位は54.7%の葬儀ですが、2位の相続財産も42.1%と高く、多くの人が相続に関心があることがわかります。
まずは親から話してみる「終活」を。子どもも真摯に受け止めてくれる
自分の寿命が分かる人はいません。
また、子どもは内心では親の心配はしていても、親が元気に見えるうちはなかなか終活について切り出しにくいと思います。
ふと、「最近動くのが億劫になったな」「そろそろ話しておいたほうがいいかな」と思ったときが良いタイミングです。
親のほうから話を切り出してくれたら、子どもは真剣に耳を傾けると思います。
いきなりすべてを決めようと気負わなくても、電話でもメールでも構わないので、少しづつでも話し始めてはいかがでしょうか。
出典:株式会社エス・エム・エス「親の終活に関する意識調査」
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