相続登記は自分でやってもいい?費用の違いや注意点を解説
公開日:2020.11.25 更新日:2021.03.14

不動産を持っている人が亡くなった場合に必要になるのが不動産の名義変更、つまり「相続登記」です。
相続登記は、専門知識のない人が行うのは難しいのでしょうか?
実は、配偶者や子どもが相続人になるような基本的な相続登記であれば、司法書士に依頼しなくても、自分でやることは可能です。
相続登記を自分で行う方法や、押さえておきたい注意点を紹介します。
■ この記事で解説すること
相続登記を自分でやっても良いケースとは?
①相続人が配偶者と子どものみであること
この相続人の組み合わせは、相続手続きとして最も基本的な組み合わせです。必要な戸籍も、そこまで複雑ではありません。
②日中も作業時間があること
市区町村役場も法務局も、役所である以上は平日の対応のみです。そのため、平日に動く必要があります。
③最後までやりきる根気があること
戸籍を読み解いたり、税金の計算をしたり、役所へ何度も足を運んだりと、やはり手間暇・労力・時間・精神的ストレスがかかります。
相続登記を自分で行う場合のメリット・デメリット
自分で行うメリット
相続登記を自分で行う場合、司法書士等の専門家に支払う報酬が不要になります。
自分で行うデメリット
自分で登記申請を行う場合、管轄法務局にご自身で出向いて申請を行う必要があります。
郵送やオンラインでの申請にすれば出向く必要はありませんが、オンライン申請には電子署名の準備が必要です。
また、提出した申請書類に不備があった場合は、法務局出向いて書類の補正(修正)をしなければなりません。
法務局は平日の8:30~17:15しか開いていませんので、お仕事をされている方は、対応が難しい場合があります。
相続登記を自分で行う場合の注意点
相続登記をすべき不動産に漏れが生じる場合があるので、注意が必要です。
また、近隣の方と通路部分を共有されている場合、通路部分は固定資産税が課税されないことが多いので、固定資産税の納税通知書に記載されないため、共有部分を見落としてしまうケースもあります。
自分で行うとコスパはいいの?相続登記費用の比較
①自分で行う場合にかかる費用
登録免許税がほとんどですが、相続人が多かったり、相続人の中に亡くなった方がいたり、本籍地が遠方だったりすると戸籍等を取得する費用が嵩むことがあります。
(1)登録免許税
相続登記を申請する際、収入印紙等などの方法で法務局に支払います。
相続登記をする不動産の固定資産税の評価額の1,000分の4(1,000万円の評価だとすると4万円)がかかります。
(2)戸籍謄本はじめとした書類手配にかかる費用
相続登記をするためには、亡くなった方の13歳位から死亡までの戸籍謄本や除籍謄本、相続人全員の戸籍、不動産の名義を取得する方の住民票などが必要です。
必要な書類を取得するために市役所等へ支払います。
(3)固定資産税の評価証明書取得費用
登録免許税を計算するために使い、法務局にも提出します。
(4)登記事項証明書
事前に不動産の調査をするためや、ご自分の名義になったことを確認するために、法務局で登記事項証明書を取得すると、一筆600円がかかります。
(土地一筆と建物一棟で1,200円です。)
以上の合計が相続登記をご自分で行う際の費用になります。
②専門家に依頼する場合にかかる費用
専門家に依頼をする内容によって異なりますが、普通の自宅の戸建てやマンションの名義変更をする場合に以下のことを全部依頼すると、8万~10万位です。
(不動産の評価、個数、相続関係の複雑さ…等により大きく違いがあります。また、自由価格なので依頼する前に必ず確認してみてください。)
司法書士に依頼できること、かかる費用について
- ①戸籍、除籍、固定資産税の評価証明書のなどの収集
- ②相続関係説明図の作成
- ③遺産分割協議書の作成
- ④法務局への登記申請
たとえば、上の①~③はご自分で行い、④の登記申請のみを依頼する場合は、不動産の評価や個数によりますが費用は4万~6万が平均相場です。
専門家に依頼する際には、事前に費用を確認しましょう。
「自分でやってみようと思ったけど、この部分がわからない」「何度もやり直しになってしまう」という方は、お気軽に専門家にご相談ください。
不安な場合は専門家にご相談するほうが、ゴールへの近道です。
■ 記事監修について

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創業39年、横浜・横須賀・東京丸の内に事務所を構える司法書士事務所です。
相続、遺言、終活、債務整理、不動産登記、会社設立、定款変更、建設業許可申請など、多岐に渡ってサポートを行っております。
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