相続を「争族」にしないために(2) 「ルール」を無視した遺言書は家族を不幸せにする



相続を「争族」にしないためには、遺言書が有効。ところが…


遺言書は、遺された家族が遺産相続で揉めないために作るものですが、中には、遺言書のせいで余計に揉めるケースもあります。

大切な家族を守るために遺した遺言書が、却って争いのもとになってしまわないためにも、遺言のルールに則って作成することが大切です。

遺言書を作成するなら、遺言や相続に関係するルールや目安を知っておきましょう。


遺言書よりも優先されるルール「遺留分」


遺留分とは、簡単に言えば被相続人の妻、夫、子、親や祖父母などが相続人となる場合に、遺産の中から最低限保証される取り分のことをいいます。

例えば、被相続人が生前に自分の妻や子「以外」の第三者に全財産を遺贈する旨の遺言書を残して亡くなった場合、残された妻や子は路頭に迷ってしまいかねません。

そうならないために、遺留分制度によって被相続人の財産によって生計を維持されている一定の者に対し、最低限の取り分を主張することを法律で認めています。

そのため、遺留分のルールを大きく逸脱した遺言は、遺された家族が揉めるもととなるので、注意が必要です。

ただし、被相続人の兄弟姉妹が相続人になる場合は、独立生計を営んでいることが想定されることから、遺留分は保証されていません。


遺された家族が住む家を失わないで済むように


一般的に、夫婦の一方が死亡した場合、残された他方の配偶者(生存配偶者)は、住み慣れた建物に居住し続けたいと希望するはず。

配偶者居住権とは、生存配偶者の保護を目的として改正民法により規定され、2020年4月1日に施行された新しい権利です。

改正民法では、配偶者居住権は「長期間に渡って居住建物の使用収益を認めること」を想定していることから、
被相続人の財産の一部を構成し、財産上の利益として所有権とは別に評価します。

生存配偶者は、自己の法定相続分から、この配偶者居住権の評価を控除した残額を相続することが可能となりました。

そのため、生存配偶者が自宅土地建物を取得することによって、
被相続人が生存配偶者の老後の生活を維持するために残した金融資産を取得できなかったり、
多額の代償金を他の相続人に支払ったりすることが少なくなるでしょう。


相続人以外の大切な人に財産を分けられるように


寄与分制度とは、

被相続人の事業に関する労務の提供、または財産上の給付
もしくは被相続人の療養看護等によって被相続人の財産の維持、または増加に特別の寄与(貢献)をした相続人に対して、

遺産のうちから、その寄与に相当する財産を取得させることによって相続人間の公平を図る制度です(民法904条の2第1項)。


従来は相続人が被相続人に対して、特別な寄与をした場合にだけ寄与分制度を適用していました。

一方、2019年7月以降に開始した相続については、例えば亡き長男の嫁が義理の親を介護するなど特別の寄与をした場合、

相続人以外の親族の寄与に報いられるように、相続人に対してその寄与に相当する金額(特別寄与料)の支払請求を認めることになりました。(改正民法1050条第1項)


この特別寄与料の支払いについて、相続人との間で話し合いがまとまらない場合、

特別な寄与をした者(特別寄与者)は、家庭裁判所に対し協議に代わる処分を請求することができます(改正民法1050条第2項)。


ただし、その請求期間は、特別寄与者が相続の開始、および相続人を知ったときから6か月以内、または相続の開始のときから1年以内に限定されているので注意が必要です。


遺言書の通りにしないといけないのか?


遺言書が遺されていた場合でも、
相続人全員の同意によって遺産分割の協議がまとまった場合は、それを優先することができます。

また、遺言は、遺言者の死亡のときからその効力を生じるため(民法985条)、

遺言者は、生前いつでもその遺言の全部、または一部を撤回し、
その目的物を処分することができます(民法1022条~1023条)。

相続を「争族」にしないために

  • 遺留分のルールを大きく逸脱した遺言は、遺された家族が揉めるもととなるので注意が必要。

  • 配偶者居住権により、遺された家族が相続で住む家を失わないで済むようになった。

  • 相続人以外の大切な人に財産を分けられるように特別寄与料の支払い請求が認められるようになった。

  • 遺言書が残されていても、相続人全員の同意によって、遺産分割の協議がまとまった場合は、それを優先することができる。

  • 遺言は、遺言者の死亡からその効力を生じるため、生前いつでも遺言者は、その遺言の全部や一部を撤回したり、その目的物を処分したりすることができる。

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